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本・無垢の領域

2023年04月06日
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昨日は気分に任せて登ってみた里山トレッキングコースですが、雪融けは予想以上の速さで消え、タムシバ(匂いこぶし)の姿を間近に見ることが出来ました。
まだ始まったばかりの春の便りですので、これからは素早い季節の進行に撮影が間に合うかしらと思えるほど進行が早そうです。

そして今日は読書記録から、桜木紫乃 著「無垢の領域」
取り寄せで読み進めていた本を一休みして、図書館の棚から選んだ小説で気分転換です。


道東釧路が舞台で、独身の図書館長を頼って同居を始めた年の離れた妹は1人で暮らす生活能力に欠けていて、育ての親である祖母の死後引き取ることになったのですが、サポートは必要ながら日常の暮らしに困ることもなく、書道家だった祖母と自死した母2人の書道家としての才能を隠し持っている事も知らず引き取った兄。

図書館のイベントで知り合った地元書道家がその才能に気づき、書道教室の助手として働くことを提案し、その妻が高校の養護教諭だった事もあり、館長は夫妻を頼りにして暮らし始めますが・・・

濃密なサスペンス小説と紹介されていましたが、障害を抱えながら才能を持つ無垢な女性を通して、周りで暮らす人々が自分の本心と向き合い始める心の葛藤!

ここまで葛藤するものだろうかと感じなくもなかったのですが、言葉にしないだけで誰でも本心では邪悪な気持ちが湧いてくることもあり、それを打ち消すために苦悩しているのかも知れないと思い始めてきました。

立場が変わればそれぞれの利害関係も生まれ、我慢しながら暮らす中で時には妄想に走り息抜きしているのが現実なのかと思え、誰もが心に目を逸らせたい気持ちが無意識に持っているのではと思うと、その負い目を負担に思う人が時には心を病むのだろうかと思えてきました。

北海道の冬の情景や地域性もある交流関係の中で、同じ雪国として自殺者が多いと言われる新潟県に住む者として、閉ざされた厳冬の中で作られる環境ゆえに重みを増してしまう家族との役割や暮らし。

心の深部を見つめるあまり、暗くなってしまうのが雪国暮らしが生む感性なのか。
1人では生き辛いからこそ、お互いに責任感を持って助け合う暮らしが、時に重みを増しているような気がしてきました。

都会から嫁いできた身としては、その反面にある春の訪れが喜びを増すという事にも気づいた昨今。

自然観察が余生の楽しみに変化したいま、生を営んでいるのは人間だけではないという当たり前に気づき、自然災害が進む現代に生きるなかで心の平安を保てる切っ掛けをもらった気もしているのです。



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yumi3
この記事を書いた人: yumi3
65歳で自営業をリタイア。パート就活を始める予定がコロナ禍で中止。
田舎暮らしで専業主婦として過ごしながら、今出来る事に挑戦中です。

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